|
住宅インスペクター(住宅検査をする人)
世の中、偽装事件が多く発覚していますが、「欠陥住宅」は増えているのでしょうか?
住宅の着工数がここ数年あまり変わらない中、法律、制度の厳格化で背景的には減るはずが実際は増えているようです。
理由は建築基準法などの法改正を把握できない業者が多いことと、消費者の意識が厳格になっているからです。
物余りの時代、消費者の物を見る目が厳しくなりました。「おおまか=about」が許されなくなったということです。
工業製品のような均一な品質確保が難しい住宅において、住宅の現場検査(インスペクション)を4つ紹介します。
(1)施工者による社内検査と監理者(通常設計者)による検査。
原則から言うと本来きちんと機能すべきものです。
しかし、現実は設計者が確認申請だけの業務で終わる場合や、施工者と関係が密で厳しいチェックをしないなど、現場監理の実態が無く、欠陥住宅を生む主な原因になっていることは事実です。
(2)確認申請の中間、完成検査制度。業者は検査機関を自由に選べます。
行政より民間を選ぶ場合が多くなっています。
定義が「建築主事などによる検査は施工者が設計図どおり全ての施工を行う義務を負い、監理者が図書どおり施工されていることについて必要な監理を行い、主事などが実地検査、及び監理者の状況報告を確認すること等を通じて基準適合性を検査する」(建築技術教育普及センター)とあります。
結局は(1)で紹介した施工者、監理者へ責任依存して施主が期待するような細かく厳しい検査は行われていないのが現実です。
米国では住宅インスペクター制度がきちんと行政で確立されて検査が非常に厳しく欠陥住宅を抑制しています。
(3)10年瑕疵担保保証の現場検査。
(1)(2)の不十分さと大手ハウスメーカーの安心感に対抗するためでしょうか、多くの地元工務店が中心に加入しています。
良い制度ではありますが、検査の問題点をあげるとするならば、業者側から発注する形態にあることです。
(2)の民間検査機関にも言えますが、業者から依頼をする形態の検査では、厳しい検査をする会社より、甘めの検査をする会社へ仕事は流れることは当たり前の原理です。
厳しくやっていた検査会社も収益を考え、検査を少し甘くせざるを得なくなるのです。
実例として、姉歯マンション偽装事件で、審査の緩い民間検査機関を選んで申請を出していたこと、米国のサブプライムローン問題でS&P,ムーディーズと言った第三者であるはずの格付け機関が、仕事欲しさに甘い審査をしていたこと、などが挙げられます。
来年度から住宅瑕疵担保履行法が施行されるが、この(3)の内容とほとんど形態は変わりません。
(4)施主から検査を入れるケース。
米国では特定の建物に関しては市の職員ではなく、登録された民間の検査員を使う場合があります。
その場合は施主が雇います。自分から依頼すればきちんと検査される確率は高いのです。
ただ、日本では施主側の第三者検査会社、検査員はかなり少ないです。
認知度が低く、特に地方で仕事が少ないためと業者の圧力を時に受けたり、横のつながりが強い業界で、あえて同業者と対立したくないからです。
今まで1000件以上、施主側のインスペクターとして活動している私から皆さんへ伝えたい事があります。
「建ててから後悔しても遅い」
知らないで住んでいる人が多く正確な統計は取れないのですが、欠陥住宅の割合は皆さんが思うよりもかなり高く、欠陥住宅の紛争解決は非常に難しいのです。
大切な家族の安全、資産価値を守るためにも工事中の検査、特に(1)と(4)が最大の欠陥防衛となります。
((2)、(3)の検査は強制で行われます。※(3)は2009年度10月完成分からです。)
欠陥を防ぐことは業者側にとってもいいことです。
無事完成させ、安心して暮らしてください。
|